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ハズム・セカイ

やっぱり大好きでやまない「DEATHNOTE」の「L」の事を中心に、思いつくままに         「Lがいるだけで ワタシのセカイは 変わるよ」

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もうすぐLの誕生日なので…2

久々に書いています。今日は色々理由があり、二つ載せちゃいます。
一つ前の記事(→10/29「もうすぐLの誕生日なので…1)に続く記事です。
もしかしたら、先にそちら↑を読んでいただいてからの方がいいかもしれません(あいまいだな)。よろしければ、どうぞ。

またもや恥ずかしいほどに勝手気ままに作った小話(笑)です。お時間のある方、駄文でも気にしない方、二次創作でも構わない方はこのままお読み下さい。


















「あたたかな一日」   (竜崎)








「昨日私が食べていたあのお菓子を、今、買って来て下さい。」

私が急に言ったもんだから、この人は反応できないでいるようだ。何のことやらさっぱり、といった表情だ。

「あのチョコ菓子か?パンダのイラストが入った…。」
「そうです、月くん。」

「………あ…あ~、あれですね。近くのコンビニで買った…。あれをまた買って来ればいいんですね。」

夜神月に先に答えられてようやく解ったような事を話しているが、本当に解っているのだろうか?私は昨日、似たようなコンビニのチョコ菓子を4種類食べたのだ。いや…、それよりも今、松田はきっと、なんで夜神月が私の言いたいことがすんなり解ったのか、なんで自分がパシリをしなくちゃいけないのか、色んな疑問で頭が一杯なのだろう。ふわふわとした頼りない足取りで本部のドアへと向かって歩き始めた。

「ちょっと待ってください。」

私は松田を止め、座っていた回転椅子からひょいと降り、履き慣れたスニーカーを足に突っ掛けた。
「私も一緒に行きます。」


……捜査本部のビルから徒歩で出て来た私と松田。
どうして松田についていこうとしたのか、自分でもわからなかった。別に気分転換という訳でもない。歯がゆい感じはするのだが、今は「なんとなく」としか言いようが無かった。

ジーンズのポケットに手を入れ歩きながら空を眺める。都心の空はどこも狭い。高層ビルの隙間からしか空が見えない。少しだけ冷たい風が吹いてきて、松田は寒そうに背広のボタンを締めたようだ。
「竜崎は…、寒くないんですか?」
私は、自分より3歩位後ろを歩く松田の、揺れている長めの影を見つめながら答えた。
「私は平気ですよ。…それより売っている店はどこにあるのですか?」
数秒おいてから声が聞こえた。
「…そこの公園を通り抜けると近道です。」

公園の木々は昼の柔らかな日差しと夜の冷たい空気にさらされて、赤や黄のグラデーションを作り始めていた。木の下から見上げると青空がキャンバスのように見え、懐かしさを感じる。松田は後ろで「ほぅ。」とため息を漏らしていた。
どこかで見た事がある景色。こんな感覚はここ数年味わっていない。

鮮やかな色合いに、つい見とれていたら、突然強風が私たちがいるこの公園を飲み込んだ。あっと言う間に落ち葉などが四方八方で舞い上がった。松田はかなり慌てていた。私は一瞬目を細めたが、何故かすぐに目を見開き天を仰いだ。


光り輝く中見えたのは私が知っている景色。舞う赤や黄の葉を、私は幼い頃よく見ていた。

……連なりあう秋の山々。すぐ隣を見上げればよく知っているワタリの笑顔。彼の筋張った手を握りながら私は家へと帰る。明るく暖かな部屋。私はこっそり何かに着替えた。最後に頭から被ったのは、時間をかけてくりぬいたオレンジ色のカボチャ。重くてふらつきながらも、一人クスクスと小さく笑いながら大人たちがくつろいでいる部屋へ行く。大人たちがいちいちびっくりしてくれるのが嬉しくてはしゃいでいたら、被っていたカボチャの重みで、前からハデに転んでしまった。
頭からカボチャを外し、ズキズキ痛むおでこをさすりながら立ち上がると、目前のテーブルにあったのは、大きなケーキ。丸くて生クリームとフルーツで華やかに飾られた真ん中には「Happy Birthday L」とチョコレートで書かれていた。
そう、あれが私にとって初めてのハロウィン。そして、あれが私にとって初めてのバースディケーキ……



気がつくと強風は通り過ぎていた。後ろを振り向くと松田は枯葉のくっ付いた髪を整えていた。
私はこっそり松田の後ろへと回り込んだ。
どうやら松田は私を探しているようだ。私は松田の動きに合わせて背後に隠れ続けてみた。彼も段々焦ってきたようで、ついに、
「りゅ、竜崎?…竜崎、……竜崎っ…………、L!!」

慌てふためく姿が余りにも面白かったので、つい「クスクス」と笑ってしまった。
「わっ!」と肩をすくめて彼は振り向いた。いつも以上に頼りなげな、泣きそうな表情。私がすぐそこにいたもんだから、思わず後ずさりしてしていた。
「コレです。」

私が見せたのは、一枚の真っ赤なカエデ。
「コレが松田さんの髪に引っかかってましたので、取ってあげようとしたのに、そんなに慌てるとは…。」
と、つまんでいるカエデの茎をくるくると回してみせる。

「突然目の前からいなくなったら、誰だって焦りますって!」
「それにしても、いくら焦ったとはいえ『L』と大声で叫ぶのは…。」
と、私は眉をひそめて低い声で呟いてみた。
「あー、しまった、そうだ、そうだよー!!」
松田は両手で頭をかきむしって叫んだ。松田は本当にいつもおっちょこちょいですね。
こころなしか、ほんわかとした温かな気持ちに変わっていた。
「帰りましょうか。」

「え?だって…、お菓子はいいんですか?もう少しでコンビニに着くのに。」
「いいんですよ、気が済みました。戻ってやらなきゃいけないこともありますし。」

きっと、はじめからお菓子を買いに行く事が目的ではなかったのかもしれない。それ以上に忘れていたことを幾つも思い出しました。
明後日は私の誕生日なんですよ。

「ほら、帰りましょう。」
私はカエデの葉にキスをした。こんなことがなければ私は自分が生まれた日を忘れたまま、その日を慌ただしく過ごしてしまうところだったのだから、そのお礼に。

辺りがオレンジ色に染まっていく中、私は黙って歩き出した。松田も黙って付いてきているようだ。
私は、初めて食べた自分のバースディケーキの味を思い出していた。10年以上も前だけど、嬉しさのあまり大勢の前で涙をぽろぽろ零しながら食べたあの味は忘れない。

私は今日、すてきなおやつを食べる事ができました。


おしまい

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